目次

 第一部 橋の下から

季節の移ろいや人々との出会いの中で、朴念(ぼくねん)は言葉ではない「なにか」を感じ始める。

第一章 乞食坊主と直介
田舎の商家の三男坊として生まれた直介(なおすけ)は、小柄で栗 …
第二章 流転する光、舞う葉 ~不立文字~
「今日からお前は『朴念(ぼくねん)』だ」 山門をくぐったその …
第三章 砂紋の機微(仲秋) ~随処作主~
寺には、老師が大切にしている「枯山水」の庭があった。白砂と大 …
第四章 背負う重さ(晩秋)~自他不二~
二度目の秋も深まり、朝晩の冷え込みが厳しくなってきたある日の …
第五章 一杯の白湯(初冬) ~喫茶去~
木枯らしが吹き始め、冬が到来した。朴念は老師の荷物持ちとして …
第六章 無言の汗(厳冬)~無功徳~
雪がちらつく厳冬の頃、寺の屋根の吹き替え工事が決まった。莫大 …
第七章 闇を歩く灯(春霞)~法灯明・自灯明~
長い冬が終わり、山々が淡い緑に包まれ始めた春のこと。朴念は、 …
第八章 雨音の正体(梅雨) ~日日是好日~
梅雨の季節がやってきた。都の盆地特有の、まとわりつくような湿 …
第九章 心の重石(盛夏)~放下著(放下着)~
ある蒸し暑い夏の日、朴念は過ちを犯した。夕餉(ゆうげ)の後片 …
第十章 絵筆と法衣(三度目の秋)
日々の労働と季節の流転の中で、様々な「気付き」を得た朴念は、 …

 第二部 旅路と禅画

朴念は、新しく入った下働きの千太(せんた)を世話することで、かつて自分が周囲から受けていた「慈しみ」に気づき、他者への感謝と献身に目覚める。

第十一章 不格好な鏡
三度目の冬も終わりに近づいたが、山間の寺には、まだまだ骨に沁 …
第十二章 裏絵の経 ~旅立ちの縁~
修行僧にとって、経とは「習う」ものではない。「盗み、覚え、刻 …
第十三章 道連れは泣き虫と古強者
旅立ちの決意は固まったが、実際に寺を出るまでは苦難の連続だっ …
第十四章 焚火と刀
都の五条の橋を渡り、一行は東へと歩を進めた。山科(やましな) …
第十五章 矢作の川下り ~男たちのいない里~
美濃の山中での野宿を経て、一行はついに三河の国の入り口、挙母 …
第十六章 供養の真意 ~生者への祈り~
三河国、今川の里での日々は、穏やかに過ぎていった。一行は名主 …