カテゴリー: 小坊主物語(第一部)
-

第十章 絵筆と法衣(三度目の秋)
日々の労働と季節の流転の中で、様々な「気付き」を得た朴念は、三度目の秋を迎えた。寺の庭は、朴念が初めてここに来…
-

第九章 心の重石(盛夏)~放下著(放下着)~
ある蒸し暑い夏の日、朴念は過ちを犯した。夕餉(ゆうげ)の後片付けをしていた時のことだ。 手に持っていた皿を床に…
-

第八章 雨音の正体(梅雨)~日日是好日~
梅雨の季節がやってきた。都の盆地特有の、まとわりつくような湿気が寺を包み込む。雨は三日三晩、止むことなく降り続…
-

第七章 闇を歩く灯(春霞)~法灯明・自灯明~
長い冬が終わり、山々が淡い緑に包まれ始めた春のこと。朴念は、寺から遠く離れた山間の集落へ使いに出された。 帰り…
-

第六章 無言の汗(厳冬)~無功徳~
雪がちらつく厳冬の頃、寺の屋根の吹き替え工事が決まった。莫大な費用がかかる事業だが、噂を聞きつけた都の大商人が…
-

第五章 一杯の白湯(初冬)~喫茶去~
木枯らしが吹き始め、冬が到来した。朴念は老師の荷物持ちとして、村一番の分限者(金持ち)の屋敷を訪れた。 「おお…
-

第四章 背負う重さ(晩秋)~自他不二~
二度目の秋も深まり、朝晩の冷え込みが厳しくなってきたある日の夕暮れ、朴念は使いの帰り道を急いでいた。村人たちが…
-

第三章 砂紋の機微(仲秋)~随処作主~
寺には、老師が大切にしている「枯山水」の庭があった。白砂と大小の石だけで構成されたその庭は、水を一切使わずに大…
-

第二章 流転する光、舞う葉 ~不立文字~
「今日からお前は『朴念(ぼくねん)』だ」 山門をくぐったその日、あの乞食坊主――この寺の住職である老師は、直介…
